「社会保険労務士 医療・福祉・介護総合研究所」 は、医療 (病院、診療所、歯科医院)・福祉・介護施設を専門に研究を行う研究機関(社会保険労務士 (社労士) 事務所)で、就業規則や人事評価表の作成など特に人事・組織マネジメントの分野に強みがあります。
営業時間 | 月〜金 9:00〜18:00 |
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平成24年12月13日に、厚生労働省より、平成23年介護サービス施設・事業所調査結果の概要が公表されました。この調査は、全国の介護サービスの提供体制、提供内容等を把握することにより、介護サービスの提供面に着目した基盤整備に関する基礎資料を得ることを目的とするもので、調査の時期は平成23年10月1日です。調査結果の主な内容をまとめると以下の通りとなります。
1.開設(経営)主体別事業所数の構成割合(単位:%) 平成23年10月1日現在
地方公共団体 | 社会福祉法人 | 医療法人 | 営利法人 | ||||
居宅サービス事業所 | |||||||
(訪問系) | |||||||
訪問介護 | 0.5 | 23.9 | 6.5 | 58.6 | |||
訪問入浴介護 | 0.5 | 42.8 | 1.6 | 52.5 | |||
訪問看護ステーション | 3.4 | 8.5 | 39.4 | 26.8 | |||
(通所系) | |||||||
通所介護 | 1.1 | 36.9 | 7.5 | 46.4 | |||
通所リハビリテーション | 2.8 | 9.5 | 77.2 | 0.1 | |||
介護老人保健施設 | 3.6 | 16.5 | 73.9 | - | |||
医療施設 | 2.0 | 1.3 | 81.0 | 0.1 | |||
(その他) | |||||||
短期入所生活介護 | 3.0 | 84.5 | 3.3 | 8.3 | |||
短期入所療養介護 | 4.1 | 11.4 | 77.1 | - | |||
介護老人保健施設 | 3.8 | 15.9 | 74.5 | - | |||
医療施設 | 4.8 | 0.9 | 83.4 | - | |||
特定施設入居者生活介護 | 1.2 | 26.0 | 3.2 | 67.5 | |||
福祉用具貸与 | 0.1 | 2.8 | 1.4 | 91.6 | |||
特定福祉用具販売 | 0.1 | 1.5 | 1.0 | 93.8 | |||
地域密着型サービス事業所 | |||||||
夜間対応型訪問介護 | 1.0 | 22.3 | 16.5 | 53.4 | |||
認知症対応型通所介護 | 0.6 | 49.4 | 12.8 | 27.9 | |||
小規模多機能型居宅介護 | 0.1 | 32.7 | 14.3 | 44.0 | |||
認知症対応型共同生活介護 | 0.1 | 23.7 | 18.0 | 52.3 | |||
地域密着型介護老人福祉施設 | 8.4 | 91.6 | - | - | |||
介護予防支援事業所 | 29.4 | 49.5 | 11.9 | 3.3 | |||
居宅介護支援事業所 | 1.3 | 29.4 | 18.6 | 40.6 |
2.開設主体別施設数の構成割合(単位:%) 平成23年10月1日現在
都道府県 | 市町村 | 社会福祉法人 | 医療法人 | その他 | ||
介護保険施設 | ||||||
介護老人福祉施設 | 0.7 | 4.9 | 92.3 | - | 2.1 | |
介護老人保健施設 | 0.1 | 3.9 | 15.6 | 74.3 | 6.1 | |
介護療養型医療施設 | - | 4.3 | 1.1 | 81.9 | 12.7 |
3.要介護度別利用者数の構成割合(単位:%) 平成23年9月
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | その他 | |
訪問介護 | 29.4 | 29.2 | 16.8 | 12.6 | 11.3 | 0.6 |
訪問入浴介護 | 2.0 | 6.9 | 11.8 | 25.5 | 52.6 | 1.1 |
訪問看護ステーション | 15.8 | 22.1 | 17.4 | 18.7 | 24.9 | 1.0 |
通所介護 | 32.3 | 30.5 | 19.0 | 11.4 | 6.4 | 0.3 |
通所リハビリテーション | 28.9 | 32.7 | 20.2 | 12.1 | 6.0 | 0.2 |
特定施設入居者生活介護 | 25.0 | 22.0 | 18.9 | 18.9 | 14.7 | 0.5 |
居宅介護支援事業所 | 30.4 | 30.2 | 18.3 | 12.1 | 8.4 | 0.6 |
(注)1.「その他」は要介護認定申請中等である。
2.訪問看護ステーションは健康保険法等のみによる利用者を含まない。
4.要介護度別在所者数の構成割合(単位:%) 平成23年9月末
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | その他 | |
介護老人福祉施設 | 3.1 | 8.7 | 20.3 | 32.0 | 35.8 | 0.1 |
介護老人保健施設 | 9.7 | 18.1 | 24.4 | 26.7 | 20.9 | 0.2 |
介護療養型医療施設 | 1.2 | 2.9 | 8.3 | 29.4 | 58.1 | 0.2 |
(注)「その他」は、要介護認定を受けていない者(要介護認定申請中)等である。
5.平成23年9月中の利用者1人当たり利用回(日)数(単位:回数又は日数)
| 平成23年9月 | |||
居宅サービス事業所 | ||||
(訪問系) | ||||
訪問介護 | 17.3 | |||
訪問入浴介護 | 4.8 | |||
訪問看護ステーション | 6.0 | |||
(通所系) | ||||
通所介護 | 8.5 | |||
通所リハビリテーション | 8.2 | |||
介護老人保健施設 | 8.3 | |||
医療施設 | 8.1 | |||
(その他) | ||||
短期入所生活介護 | 9.6 | |||
短期入所療養介護 | 7.2 | |||
介護老人保健施設 | 7.1 | |||
医療施設 | 8.8 | |||
地域密着型サービス事業所 | ||||
夜間対応型訪問介護 | 5.4 | |||
認知症対応型通所介護 | 9.4 | |||
小規模多機能型居宅介護 | 30.1 |
(注)1.訪問看護ステーションは健康保険法等の利用者を含む。
2.短期入所生活介護は空床利用型の利用者を含まない。
3.短期入所生活介護、短期入所療養介護は「1人当たり利用日数」である。
6.介護保険施設1施設当たりの定員、在所者数、利用率 平成23年10月1日現在
定員(人) | 在所者数(人) | 利用率(%) | |
介護老人福祉施設 | 71.8 | 70.7 | 98.4 |
介護老人保健施設 | 90.0 | 83.1 | 92.2 |
介護療養型医療施設 | 44.4 | 41.7 | 93.9 |
(再掲)診療所 | 8.9 | 7.0 | 78.2 |
(注)1.介護療養型医療施設における「定員」は介護指定病床数である。
2.利用率は定員当たりの在所者数の割合である。
7.介護保険施設の室定員別室数の構成割合(単位:%) 平成23年10月1日現在
介護老人福祉施設 | 介護老人保健施設 | 介護療養型医療施設 | ||
総数 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | |
個室 | 64.8 | 42.3 | 20.1 | |
ユニット型 | 47.3 | 12.2 | 0.5 | |
その他 | 17.5 | 30.2 | 19.6 | |
2人室 | 10.2 | 13.1 | 18.1 | |
ユニット型 | 0.1 | 0.0 | - | |
その他 | 10.2 | 13.1 | 18.1 | |
3人室 | 1.0 | 2.1 | 10.3 | |
4人室 | 23.6 | 42.5 | 51.4 | |
5人室以上 | 0.3 | - | 0.1 |
(注)「ユニット型」とはユニットの中の居室(療養室)であり、「その他」とはユニット型以外の居室(療養室)である。
8.1事業所当たり常勤換算看護・介護職員数(単位:人) 平成23年10月1日現在
| 1事業所当たり常勤換算看護・介護職員数 | ||
(訪問系) | |||
訪問介護 | 7.9 | ||
訪問入浴介護 | 5.2 | ||
訪問看護ステーション | 4.7 | ||
(通所系) | |||
通所介護 | 6.2 | ||
通所リハビリテーション | 8.2 | ||
介護老人保健施設 | 8.9 | ||
医療施設 | 7.4 | ||
(その他) | |||
短期入所生活介護 | 14.1 | ||
認知症対応型共同生活介護 | 11.4 | ||
特定施設入居者生活介護 | 19.8 |
(注)1.介護予防のみ行っている事業所は対象外とした。
2.従事者数不詳の事業所を除いて算出した。
3.看護・介護職員とは保健師、助産師、看護師、准看護師、介護職員のことである。
4.短期入所生活介護は空床利用型の従事者を含まない。
9.常勤換算看護・介護職員1人当たり在所者数(単位:人) 平成23年10月1日現在
介護老人福祉施設 | 介護老人保健施設 | |
看護・介護職員 | 2.0 | 2.1 |
看護職員 | 17.7 | 8.2 |
介護職員 | 2.2 | 2.8 |
(注)看護職員とは看護師(保健師を含む)、准看護師のことである。
(資料出典):「平成23年介護サービス施設・事業所調査結果の概要」より
平成24年12月4日に行われた介護事業経営調査委員会において、介護保険サービスに関する消費税の取扱いについて、関係団体からヒアリングが実施されました。なお、介護事業経営調査委員会において、介護保険サービスに関する消費税の取扱いに係る検討状況について、以下のような現状認識が示されています。
(関係団体からのヒアリング)
以下では、いくつかの関係団体を例に挙げて、消費税引上げへの対応に関する意見をみていきます。
1、公益社団法人全国老人福祉施設協議会
2、民間介護事業推進委員会
3、公益社団法人日本看護協会
(参考資料) 厚生労働省「介護事業経営調査委員会」資料より
平成24年11月20日に、厚生労働省より、平成23年の「医療施設(静態・動態)調査」及び「病院報告」の結果が公表されました。「医療施設調査」は、「動態調査」として、医療施設数、病床数、診療科目などの動向を把握し、「静態調査」として、検査・手術の実施状況や診療施設の保有状況などの診療機能の詳細を把握するものです。また、「病院報告」は、1日の平均外来・在院患者数、病床利用率、平均在院日数などを調査します。ここでは、医療施設の種類別にみた施設数、病床の規模別にみた施設数、在宅医療サービスの実施状況、平均在院日数等についてみていきます。
1.医療機関の種類別にみた施設数
全国の医療施設は176,308施設で、前年に比べ570施設減少しています。「病院」 は8,605施設で、前年に比べ65施設減少しており、「一般診療所」は99,547施設で 277施設減少、「歯科診療所」は68,156施設で228施設減少しています。その他詳 細は下表の通りです。
| 施設数 | 対前年増減数 | ||
平成23年 | 平成22年 | |||
総数 | 176,308 | 176,878 | ▲570 | |
病院 | 8,605 | 8,670 | ▲65 | |
精神科病院 | 1,076 | 1,082 | ▲6 | |
結核療養所 | 1 | 1 | − | |
一般病院 | 7,528 | 7,587 | ▲59 | |
療養病床を有する病院(再掲) | 3,920 | 3,964 | ▲44 | |
一般診療所 | 99,547 | 99,824 | ▲277 | |
有床 | 9,934 | 10,620 | ▲686 | |
療養病床を有する一般診療所 | 1,385 | 1,485 | ▲100 | |
無床 | 89,613 | 89,204 | 409 | |
歯科診療所 | 68,156 | 68,384 | ▲228 | |
有床 | 38 | 41 | ▲3 | |
無床 | 68,118 | 68,343 | ▲225 |
⇒平成22年から平成23年にかけて増加しているのは、無床の一般診療所のみということがわかります。
2.病床の規模別にみた施設数
施設数を病床の規模別にみると、病院は「50~99床」が2,190施設と最多であり、一般診 療所は「10~19床」が6,651施設と最多になっています。その他詳細は下表の通りです。
| 施設数 | 対前年増減数 | ||
平成23年 | 平成22年 | |||
病院 | 8,605 | 8,670 | ▲65 | |
20~49床 | 992 | 1,007 | ▲15 | |
50~99 | 2,190 | 2,225 | ▲35 | |
100~149 | 1,430 | 1,431 | ▲1 | |
150~199 | 1,339 | 1,327 | 12 | |
200~299 | 1,108 | 1,124 | ▲16 | |
300~399 | 724 | 729 | ▲5 | |
400~499 | 366 | 367 | ▲1 | |
500~599 | 198 | 197 | 1 | |
600~699 | 114 | 115 | ▲1 | |
700~799 | 55 | 53 | 2 | |
800~899 | 29 | 33 | ▲4 | |
900床以上 | 60 | 62 | ▲2 | |
一般診療所(有床) | 9,934 | 10,620 | ▲686 | |
1~9床 | 3,283 | 3,619 | ▲336 | |
10~19 | 6,651 | 7,001 | ▲350 |
⇒平成22年から平成23年にかけて、ほとんどの病床の規模で減少していることがわかります。
3.在宅医療サービスの実施状況(複数回答)
在宅医療サービスの実施状況をみると、病院の「医療保険等による在宅サービスを実施し ている」は5,138施設、「介護保険による在宅サービスを実施している」は2,457施設と なっています。その他詳細は下表の通りです。
施設数 | 実施件数 | |||
病院 | 8,605 | − | ||
医療保険等による在宅サービスを実施している | 5,138 | − | ||
往診 | 1,416 | 13,118 | ||
在宅患者訪問診療 | 2,407 | 90,487 | ||
歯科訪問診療 | 139 | 7,909 | ||
救急搬送診療 | 505 | 4,663 | ||
在宅患者訪問看護・指導 | 814 | 22,890 | ||
精神科在宅患者訪問看護・指導 | 899 | 97,520 | ||
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理 | 693 | 13,435 | ||
訪問看護ステーションへの指示書の交付 | 2,551 | 40,547 | ||
在宅看取り | 268 | 535 | ||
介護保険による在宅サービスを実施している | 2,457 | − | ||
居宅療養管理指導(介護予防サービスを含む) | 1,066 | 33,561 | ||
訪問看護(介護予防サービスを含む) | 953 | 72,684 | ||
訪問リハビリテーション(介護予防サービスを含む) | 1,444 | 154,698 | ||
一般診療所 | 99,547 | − | ||
医療保険等による在宅サービスを実施している | 38,414 | − | ||
往診 | 24,038 | 187,288 | ||
在宅患者訪問診療 | 19,950 | 733,366 | ||
歯科訪問診療 | 119 | 4,799 | ||
救急搬送診療 | 1,538 | 3,083 | ||
在宅患者訪問看護・指導 | 3,386 | 46,762 | ||
精神科在宅患者訪問看護・指導 | 390 | 19,242 | ||
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理 | 2,152 | 12,463 | ||
訪問看護ステーションへの指示書の交付 | 13,172 | 92,025 | ||
在宅看取り | 3,280 | 5,574 | ||
介護保険による在宅サービスを実施している | 9,992 | − | ||
居宅療養管理指導(介護予防サービスを含む) | 6,971 | 218,996 | ||
訪問看護(介護予防サービスを含む) | 1,722 | 32,247 | ||
訪問リハビリテーション(介護予防サービスを含む) | 1,382 | 63,424 | ||
歯科診療所 | 68,156 | − | ||
在宅医療サービスを実施している | 13,830 | − | ||
訪問診療(居宅) | 9,286 | 78,078 | ||
訪問診療(施設) | 8,677 | 227,497 | ||
訪問歯科衛生指導 | 4,312 | 206,976 | ||
居宅療養管理指導(歯科医師による) | 4,017 | 92,132 | ||
居宅療養管理指導(歯科衛生士等による) | 2,788 | 139,815 | ||
介護予防居宅療養管理指導(歯科医師による) | 1,081 | 7,741 | ||
介護予防居宅療養管理指導(歯科衛生士等による) | 846 | 7,705 | ||
その他の在宅医療サービス | 111 | 1,028 |
⇒私が想像していたよりも多くの病院・一般診療所・歯科診療所が在宅サービスを行っていました。在宅医療の充実を図ることを意図した2012年度の診療報酬改定により、今後さらに多くの病院・一般診療所・歯科診療所が在宅サービスを行っていくことになると考えられます。
4.平均在院日数
病院の平均在院日数は32.0日で、前年に比べ0.5日短くなっています。その他詳細は下表 の通りです。
| 平均在院日数 | 対前年増減数 | |||
平成23年 | 平成22年 | ||||
病院 | |||||
全病床 | 32.0 | 32.5 | ▲0.5 | ||
精神病床 | 298.1 | 301.0 | ▲2.9 | ||
感染症病床 | 10.0 | 10.1 | ▲0.1 | ||
結核病床 | 71.0 | 71.5 | ▲0.5 | ||
一般病床 | 17.9 | 18.2 | ▲0.3 | ||
療養病床 | 175.1 | 176.4 | ▲1.3 | ||
介護療養病床 | 311.2 | 300.2 | 11.0 | ||
介護療養病床を除く全病床 | 30.4 | 30.7 | ▲0.3 | ||
療養病床を有する診療所 | |||||
療養病床 | 103.3 | 104.2 | ▲0.9 | ||
介護療養病床 | 98.2 | 99.8 | ▲1.6 |
⇒平成22年から平成23年にかけて、介護療養病床以外の病床では、平均在院日数は縮小されています。
5.その他
⇒近年、「小児科」や「産婦人科・産科」の医師数は増加傾向にあるにもかかわらず、「小児科」や「産婦人科・産科」の一般病院等の施設数が減少傾向にあることは注意が必要です。
(参考資料) 『医療施設(静態・動態)調査・病院報告の結果(厚生労働省)』より
平成24年10月10日に、厚生労働省に設置された「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会」において、ケアマネジャーに係る主な課題とそれに対する方向性が示されました。そのポイントは以下の通りです。なお、厚生労働省は平成24年中に具体的な方針を取りまとめることを検討しています。
(1)ケアマネジャーに係る主な課題
(2)課題に対する対応の方向性
○利用者や家族の要望のみに基づいたケアマネジメントではなく、自立支援を前提としたケアマネジメントを行う。
○保険者によるケアマネジメントや介護支援専門員の支援という視点で機能強化を図る。
○自立支援に資するケアマネジメントを実現するため、多職種協働のケアカンファレンス(サービス担当者会議や退院時のカンファレンス等)や地域ケア会議の機能強化を図る。
○地域ケア会議は多くの保険者で取り組みが進んでいるが、個別ケースの支援内容の検討を通じて地域包括ケアシステムの実現を図る観点から、その機能を強化する。
○地域ケア会議での保険者の役割の強化を図っていく中、居宅介護支援事業所の指定権者を市町村(保険者)とすることを検討する。
○ケアマネジメントを行う際の医療との連携、重度者等のケアプランへの適切な医療サービスの組み込みを促進するとともに、急性期、回復期の入院から退院後の在宅への移行期等における適切な連携を促進する。
○ケアマネジメント・プロセスを可視化するとともに、ケアカンファレンスにおける多職種協働の円滑化を図るため、アセスメント情報からケアプラン作成に至る思考過程を明確にする、共通の「課題抽出シート」の導入に向けた検討を行う。
○現状のケアプランの実態を把握し、改善点を明らかにしていく取組みとして、「ケアマネジメント向上会議(仮称)」等の取組みを通じて、具体的事例に基づいて、公開の場でケアマネジメントの評価・検証を行う。
○多職種協働により、利用者の自立支援に資する適切なサービス提供が行われるような実効性のあるケアカンファレンスが開催されるよう徹底する。
○短期目標の結果を総括し、次期の居宅サービス計画を作成する際に踏まえるべき事実を整理できるよう、ケアプランの評価・見直しに関する様式の導入に向けた検討を行う。
○ケアマネジメントを評価するにあたり、アウトカムの内容やプロセスを明確にするため、調査・研究を進める。
○介護支援専門員の専門性(知識、技能)の向上を図るため、①実務研修受講試験の受験要件を見直す、②介護支援専門員の研修カリキュラムや研修方法を見直す、③研修指導者のためのガイドラインを策定する。
○「居宅」、「居住系サービス」、「施設」、「地域包括支援センター」等、介護支援専門員が現に従事している事業所が多様であることを踏まえた実践的な専門研修とする。
○施設の介護支援専門員については、在宅の介護支援専門員のあり方についての議論や施設ケアプランの実態等も踏まえ、①施設においても在宅あるいは地域との連続性を確保するためのケアマネジメントのあり方、②介護支援専門員を施設におけるケアカンファレンス等の調整役として位置付けること、③生活相談員(特養)や支援相談員(老健)の行う相談支援業務との関係を整理すること、について検討する。
(参考資料) 厚生労働省資料より
平成24年9月5日に、平成23年度に実施された「デイサービス利用者の宿泊ニーズ等に関する調査事業(モデル事業)」の結果が厚生労働省から公表されました。この事業は、既存のデイサービス等において、宿泊サービス等を一定の条件のもとで提供し、デイサービス利用者等の緊急・短期間の宿泊ニーズへの対応や課題等について、検討を行うための調査研究事業で、15の自治体、20の事業所で実施されました。その結果の概略は以下の通りです。
1.宿泊サービスの利用者及び利用状況
2.宿泊サービスの提供実態
3.宿泊サービスをどのように考えているか(アンケート結果より)
4、ショートステイとの比較(アンケート結果より)
5、事業者から見た課題等(アンケート結果より)
6、利用者、事業者、自治体からの主なご意見
(「お泊りデイ」にポジティブなご意見)
(「お泊りデイ」にネガティブなご意見)
⇒ 本調査事業の結果は概ね上記のとおりです。「お泊りデイ」に対するニーズは確かにあるものの、それを介護保険の対象にすることには賛否両論あり、直ちに「お泊りデイ」を介護保険の対象にすることは多少問題がありそうです。私見では、ショートステイや小規模多機能型居宅介護で対応するのが筋かと考えますが、一方で、慣れ親しんでいる施設でお手軽に宿泊をしたいと考えている利用者やその家族がおり、その意向も無視することはできないでしょう。「お泊りデイ」を介護保険の対象とするか否かを判断するためには、もう少し時間をかけて実態を分析していく必要があると考えられますが、介護保険の対象にするか否かを問わず、「お泊りデイ」を実施する通所介護事業所に対しては、明確な基準を設け、安全管理や人員配置を適切に行うことを指導し、「お泊りデイ」の利用者が不適切な環境に置かれることがないようにしていく必要があると考えられます。
(参考資料) 厚生労働省資料より
平成24年8月17日に、(財)介護労働安定センターより、平成23年度の介護労働実態調査の結果が発表されましたので、そのポイントを掲載します。
1.訪問介護員、介護職員の1年間(平成22年10月1日から平成23年9月30日まで)の採用率・離職率(単位:%)
| 採用率 | 離職率 | 離職者の内 | ||||
1年未満 | 1年以上 3年未満 | ||||||
2職種計 | (訪問介護員と介護職員) | 21.0 | 16.1 | 40.9 | 35.2 | ||
就業形態別 | 正規職員 | 17.9 | 14.3 | 32.9 | 37.6 | ||
非正規職員計 | 24.2 | 17.8 | 47.4 | 33.3 | |||
常勤労働者 | 30.2 | 23.9 | 48.3 | 33.3 | |||
短時間労働者 | 22.3 | 16.0 | 47.0 | 33.2 | |||
職種別 | 訪問介護員 | 17.7 | 13.8 | 41.8 | 37.8 | ||
介護職員 | 22.3 | 16.9 | 40.6 | 34.4 |
(注)採用率、離職率は下記の式による。
採用率=平成23年度の採用者数÷平成22年9月30日の在籍者数×100
離職率=平成23年度の離職者数÷平成22年9月30日の在籍者数×100
なお、ここでいう平成23年度とは、平成22年10月1日から平成23年9月30日までをい う。
⇒ 就業形態別では、非正規職員の採用率・離職率が高いことがわかります。
2.従業員の過不足の状況(単位:%)
| 大いに不足 | 不足 | やや不足 | 適当 | 過剰 | 不足感 |
全体 | 3.3 | 17.1 | 32.7 | 46.1 | 0.7 | 53.1 |
訪問介護員 | 10.5 | 27.1 | 32.7 | 28.8 | 1.0 | 70.3 |
サービス提供責任者 | 2.6 | 8.5 | 12.6 | 75.1 | 1.2 | 23.7 |
介護職員 | 2.8 | 12.9 | 29.2 | 52.5 | 2.5 | 44.9 |
看護職員 | 5.7 | 11.4 | 22.6 | 58.6 | 1.7 | 39.7 |
生活相談員 | 1.0 | 3.2 | 10.3 | 84.1 | 1.3 | 14.5 |
PT・OT・ST等 | 3.2 | 5.8 | 17.7 | 72.0 | 1.4 | 26.7 |
介護支援専門員 | 1.1 | 4.9 | 12.2 | 79.6 | 2.3 | 18.2 |
(注)「不足感」は、「大いに不足」「不足」「やや不足」を合計した値。
⇒ 訪問介護員や介護職員の不足感が大きいのが特徴的です。
3.介護サービスを運営する上での問題点(複数回答、最大3つまで)(単位:%)
良質な人材の確保が難しい | 50.4 |
今の介護報酬では人材確保・定着のために十分な賃金を支払えない | 49.8 |
指定介護サービス提供に関する書類作成が煩雑で、時間に追われてしまう | 32.6 |
教育・研修の時間が十分に取れない | 27.6 |
経営(収支)が苦しく、労働条件や労働環境の改善をしたくても出来ない | 26.3 |
新規利用者の確保が難しい | 24.8 |
介護従事者の介護業務に関する知識や技術が不足している | 12.9 |
介護従事者の介護業務に臨む意欲や姿勢に問題がある | 8.3 |
管理者の指導・管理能力が不足している | 6.6 |
利用者や利用者の家族の介護サービスに対する理解が不足している | 5.4 |
介護保険の改正等についての的確な情報や説明が得られない | 5.4 |
経営者・管理者と職員間のコミュニケーションが不足している | 4.1 |
介護従事者間のコミュニケーションが不足している | 4.0 |
雇用管理等についての情報や指導が不足している | 2.2 |
特に問題はない | 3.7 |
⇒ 人材の確保や十分な賃金の支払いに問題を抱えている施設が多いようです。
4.介護職員処遇改善交付金に伴う経営面での対応状況(複数回答)(単位:%)
一時金の支給 | 67.0 |
諸手当の導入・引き上げ | 40.2 |
基本給の引き上げ | 22.2 |
教育研修の充実 | 16.1 |
非正規職員から正規職員への登用 | 11.9 |
昇進・昇格要件の明確化 | 9.0 |
その他 | 2.6 |
無回答 | 2.1 |
⇒ 基本給の引き上げにつながることが望ましいと考えられますが、時限的な措置であったことから、一時金や諸手当で対処する施設が多かったようです。
5.従業員の年齢
労働者個別人数(人) | 平均年齢(歳) | |
全体 | 72,872 | 44.7 |
訪問介護員 | 15,385 | 50.9 |
サービス提供責任者 | 3,214 | 46.9 |
介護職員 | 34,671 | 41.6 |
看護職員 | 8,054 | 47.8 |
介護支援専門員 | 3,239 | 47.4 |
生活相談員または支援相談員 | 3,798 | 40.6 |
PT・OT・ST等 | 1,400 | 37.3 |
管理栄養士・栄養士 | 975 | 39.1 |
福祉用具専門相談員 | 146 | 39.3 |
無回答 | 1,990 | 47.1 |
⇒ 介護施設で働く従業員の平均年齢は44.7歳となっています。一般的なサラリーマンの平均年齢よりもやや高いといえるでしょう。
6.保有資格(複数回答)(単位:%)
ホームヘルパー2級 | 46.6 |
介護福祉士 | 32.7 |
看護師・准看護師 | 13.2 |
介護支援専門員 | 10.2 |
ホームヘルパー1級 | 3.6 |
社会福祉士 | 2.1 |
PT・OT・ST等 | 1.8 |
管理栄養士・栄養士 | 1.7 |
介護職員基礎研修 | 1.6 |
福祉用具専門相談員 | 0.6 |
その他の資格 | 7.0 |
無資格 | 5.7 |
無回答 | 2.4 |
⇒ ホームヘルパー2級、介護福祉士の資格を所有している従業員が多いようです。
7.所定内賃金(平均賃金)
月給の者 | 日給の者 | 時間給の者 | |
全体 | 216,086 | 8,323 | 1,086 |
訪問介護員 | 188,975 | 8,313 | 1,235 |
サービス提供責任者 | 224,791 | 7,663 | 1,127 |
介護職員 | 195,247 | 7,648 | 898 |
看護職員 | 264,395 | 10,184 | 1,380 |
介護支援専門員 | 254,527 | 8,565 | 1,237 |
生活相談員または支援相談員 | 237,230 | 7,346 | 969 |
(注)単位は月給の者が円/月、日給の者が円/日、時間給の者が円/時間
⇒ 月給の者の平均賃金は216,086円、時間給の者の平均賃金は1,086円となっています。介護職員の平均賃金は月給、日給、時間給とも全体の平均賃金を下回る結果となっています。
資料出典:『平成23年度 介護労働実態調査結果について』(財)介護労働安定センターより
厚生労働省で開催されていた「専門医の在り方に関する検討会」において、平成24年8月31日に中間まとめが取りまとめられ、そこでは、基本領域の専門医の1つとして総合的な診療能力を有する医師(以下「総合医」「総合診療医」という。)が加えられるべきであるとされました。ここでは、中間まとめで取りまとめられた「総合医」「総合診療医」について具体的にみていきます。
(1)「総合医」「総合診療医」の在り方について
(2)「総合医」「総合診療医」の養成について
(3)その他について
なお、以下の項目については、引き続き議論が必要とされました。
資料出典:厚生労働省資料より
平成24年6月18日に取りまとめられた「今後の認知症施策の方向性について」や、平成24年8月24日に公表された認知症高齢者数の将来推計などに基づいて、「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」が平成24年9月5日に策定されましたので、そのポイントを掲載します。
〇かかりつけ医認知症対応力向上研修の受講者数(累計)
《高齢者人口約600人(認知症高齢者約60人)に対して、1人のかかりつけ医が受講》
平成24年度末見込 35,000人 ⇒ 平成29年度末 50,000人
〇認知症サポート医養成研修の受講者数(累計)
《一般診療所(約10万人)25か所に対して、1人のサポート医を配置》
平成24年度末見込 2,500人 ⇒ 平成29年度末 4,000人
〇早期診断等を担う医療機関の数
《認知症疾患医療センターを含めて、二次医療圏に1か所以上》
平成24~29年度 認知症の早期診断等を行う医療機関を、約500か所整備する
〇認知症地域支援推進員の人数
《5つの中学校区当たり1人配置(合計約2,200人)、当面5年間で700人配置》
平成24年度末見込 175人 ⇒ 平成29年度末 700人
〇認知症サポーターの人数(累計)
平成24年度末見込 350万人 ⇒ 平成29年度末 600万人
〇市民後見人の育成・支援組織の体制を整備している市町村数
平成24年度見込 40市町村 ⇒ 将来的にすべての市町村(約1,700)での体制整備
〇認知症の人やその家族等に対する支援
平成25年度以降
「認知症カフェ」(認知症の人と家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき、集う場)の普及などにより、認知症の人やその家族等に対する支援を推進
〇若年性認知症の人の意見交換会開催などの事業実施都道府県数
平成24年度見込 17都道府県 ⇒ 平成29年度 47都道府県
〇認知症介護実践リーダー研修の受講者数(累計)
《すべての介護保険施設(約15,000)とグループホーム(約14,000)の職員1人ずつが受講。加えて、小規模多機能型居宅介護事業所、訪問介護事業所、通所介護事業所等の職員については、すべての中学校区(約11,000)内で1人ずつが受講》
平成24年度末見込 2.6万人 ⇒ 平成29年度末 4万人
〇認知症介護指導者養成研修の受講者数(累計)
《5つの中学校区当たり1人が受講》
平成24年度末見込 1,600人 ⇒ 平成29年度末 2,200人
〇一般病院勤務の医療従事者に対する認知症対応力向上研修の受講者数(累計)
《病院(約8,700)1か所当たり10人(医師2人、看護師8人)の医療従事者が受講》
新規 ⇒ 平成29年度末 87,000人
資料出典:厚生労働省資料より
平成24年5月に行われた労働政策審議会障害者雇用分科会において、障害者雇用率の見直しが行われることが決定されました。
障害者雇用率は、障害者の雇用の促進等に関する法律第43条第2項に基づき、少なくとも5年ごとに、労働者と失業者の総数に対する身体障害者又は知的障害者である労働者と失業者の総数の割合の推移を勘案して、政令で定めることとされています。
障害者雇用率制度は、身体障害者及び知的障害者について、一般労働者と同じ水準において常用労働者となり得る機会を与えることとし、常用労働者の数に対する割合(障害者雇用率)を設定し、事業主等に障害者雇用率達成義務を課すことによりそれを保障する制度で、現行の障害者雇用率は、
〈民間企業〉
一般の民間企業 = 1.8%
特殊法人等 = 2.1%
〈国及び地方公共団体〉
国、地方公共団体 = 2.1%
都道府県等の教育委員会 = 2.0%
とされています。今回の障害者雇用率の見直しにより、平成25年4月1日から、
〈民間企業〉
一般の民間企業 = 2.0%
特殊法人等 = 2.3%
〈国及び地方公共団体〉
国、地方公共団体 = 2.3%
都道府県等の教育委員会 = 2.2%
とされることとなりました。
なお、雇用率未達成企業(常用労働者200人超)から障害者雇用納付金(不足1人当たり月額5万円)を徴収し、雇用率達成企業などに対して障害者雇用調整金(超過1人当たり月額2万7千円)、報奨金(中小企業200人以下、超過1人当たり月額2万1千円)を支給するとともに、設備等に対し各種の助成金を支給する障害者雇用納付金制度は、金額等につき現行のままとされました。
参考までに、ハローワークにおける障害者の職業紹介状況については下表の通りであり、平成23年度の就職件数・新規求職者数は前年度から更に増加し、特に、就職件数は約6万件となり、過去最高を更新しています。
新規求職申込件数(件) | 就職件数(件) | |
平成16年度 | 93,182 | 35,871 |
平成17年度 | 97,626 | 38,882 |
平成18年度 | 103,637 | 43,987 |
平成19年度 | 107,906 | 45,565 |
平成20年度 | 119,765 | 44,463 |
平成21年度 | 125,888 | 45,257 |
平成22年度 | 132,734 | 52,931 |
平成23年度 | 148,358 | 59,367 |
(参考資料) 第48回労働政策審議会障害者雇用分科会資料より
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