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【2012.12.8】 介護保険サービスに関する消費税の取扱いについて

平成24年12月4日に行われた介護事業経営調査委員会において、介護保険サービスに関する消費税の取扱いについて、関係団体からヒアリングが実施されました。なお、介護事業経営調査委員会において、介護保険サービスに関する消費税の取扱いに係る検討状況について、以下のような現状認識が示されています。

  • 「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」の成立に伴い、今後、消費税率の引き上げが行われることを踏まえ、現在、介護保険サービスに関する消費税の取扱いについて検討を行っているところ。
  • この法律では「医療機関等の仕入れに係る消費税については、診療報酬等の医療保険制度において手当をする」とされており、介護報酬でも、これまでの消費税引上げ時等の診療報酬における対応と同様の対応を行う場合、平成25年7月に実施予定の介護事業経営概況調査で、各サービスの人件費割合、非課税品目等のデータを取得し、改定率の検討を行う必要がある。
  • また、現在、医療保険側では、医療機関等が行う高額な投資に係る消費税の負担の状況について調査を行い、その対応についても検討することにしている。介護保険でも、医療のような高額の投資の有無を含めた検証が必要になる。
  • このため、医療保険側と同様に高額な投資に係る消費税の負担について調査を行いつつ、今後の対応を検討していくこととし、まずは、関係団体ヒアリング及び医療機関と同様の高額な投資に係る部分の実態調査を実施する。

(関係団体からのヒアリング)

以下では、いくつかの関係団体を例に挙げて、消費税引上げへの対応に関する意見をみていきます。

1、公益社団法人全国老人福祉施設協議会

  • 消費税引上げ対応として、考えられる選択肢は3つある。1つ目は、介護保険事業を「課税事業」にする。この場合、消費税の負担は利用者となる。2つ目は、介護保険事業を今まで通り「非課税事業」とする。この場合、消費税の負担は、介護報酬の上乗せや基準費用額の見直しでカバーする。3つ目は、介護保険事業における「高額投資」に係る消費税について、「身体障害者用物品の非課税」の取扱いと同様とする。この場合、消費税の負担は取引業者となる。
  • 介護保険事業及び社会福祉事業は、現在利用者に消費税を転嫁できない非課税事業であり、これらのサービスに係るコストの消費税は、利用者から回収するのではなく、サービス提供事業者が負担する仕組みとなっている。社会福祉法人においても、建物建築費、修繕費、高額介護機器等の高額投資に係る消費税を法人が負担している。収入(売上)は非課税、支出(仕入れコスト)は課税であることから、「損税」が生じている状況である。
  • 消費税率が引き上げられると、建物建築費等について増税分が上乗せされることとなり、居住費等で税分の差異が生じ、建物の整備時期による不公平が生じる。また、利用者に転嫁できなものもあり、損税が拡大して、経営的にも困難となることが想定される。
  • 消費税率引き上げに伴い、高額投資に係る法人負担の増大が見込まれる中で、医療保険サービス及び介護保険サービスに関する消費税の取扱いについて検討が進められている。医療、福祉、介護等については、これまで社会政策的配慮のもと、利用者負担軽減を図るため非課税とされてきた。「社会保険医療」は国民の生命・健康の維持に直接関わるものであり、「介護保険サービス・社会福祉事業」は高齢者・児童・障害者・生活困窮者等を対象とする事業であることから、税負担について国民の理解を得にくいという理由で、非課税とされてきたものである。
  • 今回の消費税引上げにおいて、介護保険事業を従来と同様の扱い(非課税事業)とする場合には、次のような点について考慮した取扱いを願いたい。①消費税率引上げに伴うサービスコストの増大(損税の拡大)分は、「介護報酬の上乗せ」、食費・居住費については、「基準費用額及び補足給付の見直し」で対応すること、②新たに整備する施設整備費や大規模改修費、高額な介護サービス用の機器等にかかる消費税については、特別な扱いをもって、公平性を保っていただきたい。

2、民間介護事業推進委員会

  • 消費税率引き上げにより、事業者負担が増加する控除対象外消費税に係る負担を回避するために、適切な対応策の検討を行い、実施願いたい。
  • 事業者負担の増加を回避するための方策として、①現在の医療保険制度と同様に事業者負担増加分に見合う金額を介護報酬で上乗せする、②事業者負担の増加分を仕入れ控除又は還付する、③介護保険サービスを課税対象とする、等がある。ただし、これらについては、営利法人、公益法人など法人の性格の違い等による税制上の措置の現状を踏まえた慎重な検討が必要である。なお、これらの対応策の実施にあたっては、利用者負担を増加させないよう、利用者の税額控除を可能とさせる施策も合わせて実施することが必要である。
  • 介護保険サービスの種類ごとに課税対象となる仕入れ部分の費用・投資部分の比率は異なっており、サービス種類ごとの実態に合わせた対応策にして頂きたい。

3、公益社団法人日本看護協会

  • 複合サービス等、今後さらに整備拡充が必要となるサービス事業者における高額投資部分の消費税負担については、2014年4月の消費税率引上げ時に向け、介護保険制度において支援措置を講じるべき。また、「高額投資」の定義については、単純に資産の取得価額の大小ではなく、サービスごとの事業規模の違いを考慮し、資産取得価額の保険収入に占める割合として把握すべき。
  • 次回の報酬改定に向け、消費税引上げ分を加味した介護報酬の調整については早期に方針を明確にし、国民理解を深めるための情報発信や相談窓口設置を行うべき。
  • 消費税引上げと介護報酬改定時期のずれに伴う事業者負担、さらに訪問看護などの医療保険・介護保険双方に関連するサービスの事務負担増を考慮し、次回介護報酬改定については前倒し等の対応策を検討していただきたい。

 

(参考資料) 厚生労働省「介護事業経営調査委員会」資料より

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