厚生労働省において、平成23年10月より、「専門医の在り方に関する検討会」が開催され、今後の専門医の在り方等について議論が行われてきましたが、平成25年4月22日に、当該検討会において、これまでの様々な議論を踏まえて報告書が取りまとめられました。その概要は以下の通りとなります。
1.視点
新たな専門医に関する仕組みは、専門医の質を高め、良質な医療が提供されることを目的として構築。
2.現状
《専門医の質》
各学会が独自に運用。学会の認定基準の統一性、専門医の質の担保に懸念。
《求められる専門医像》
専門医としての能力について医師と国民との間に捉え方のギャップ。
《地域医療との関係》
医師の地域偏在・診療科偏在は近年の医療を巡る重要な課題。
3.新たな仕組みの概要
《基本的な考え方》
- 新たな専門医の仕組みを、国民の視点に立った上で、育成される側のキャリア形成支援の視点も重視して構築。
- 例えば、専門医を「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」と定義。
- 新たな専門医の仕組みは、プロフェッショナルオートノミー(専門家による自律性)を基盤として設計。
《中立的な第三者機関》
- 中立的な第三者機関を設立し、専門医の認定と養成プログラムの評価・認定を統一的に行う。
- 第三者機関は、専門医の認定・更新基準や養成プログラム・研修施設の基準の作成を行う。
- 第三者機関において、専門医の質や分布等を把握するため、専門医等に関するデータベースを構築。
《総合診療専門医》
- 総合診療医の専門医としての名称は、「総合診療専門医」とする。なお、総合診療医には、日常的に頻度が高く、幅広い領域の疾病と傷害等について、わが国の医療提供体制の中で、適切な初期対応と必要に応じた継続医療を全人的に提供することが求められる。また、「総合診療専門医」には、他の領域別専門医や他職種と連携して、多様な医療サービスを包括的かつ柔軟に提供することを期待。
- 「総合診療専門医」を基本領域の専門医の一つとして加える。
- 「総合診療専門医」の認定・更新基準や養成プログラムの基準は、関連学会や医師会等が協力して第三者機関において作成。なお、臨床研修修了直後の医師が進むコースに加えて、他の領域から総合診療専門医へ移行可能なプログラムも別に用意。
《専門医の養成・認定・更新》
- 医師は基本領域のいずれか1つの専門医を取得することが基本。自助努力により複数領域の認定・更新基準を満たすのであれば、複数領域の取得を許容。
- 専門医の認定は、経験症例数等の活動実績を要件とし、また、生涯にわたって標準的な医療を提供するため、専門医取得後の更新の際にも、各領域の活動実績を要件とする。
- 広告制度(医師の専門性に関する資格名等の広告)を見直し、基本的に、第三者機関が認定する専門医を広告可能とする。
《地域医療との関係》
- 専門医の養成は、第三者機関に認定された養成プログラムに基づき、大学病院等の基幹病院と地域の協力病院等(診療所を含む)が病院群を構成して実施。研修施設は、必要に応じて都道府県(地域医療支援センター等)と連携。
- 研修施設が養成プログラムを作成するにあたり、地域医療に配慮した病院群の設定や養成プログラムの作成等に対する公的な支援を検討。
- 専門医の養成数は、患者数や研修体制等を踏まえ、地域の実情を総合的に勘案して設定。
- 少なくとも、現在以上に医師が偏在することのないよう、地域医療に十分配慮。
《既存の学会認定専門医からの移行》
- 専門医の質を担保する観点から、第三者機関において適切な移行基準を作成。移行の時期は第三者機関において速やかに検討。
《スケジュール》
- 新たな専門医の養成は、平成29年度を目安に開始。研修期間は、例えば3年間を基本とし、各領域の実情に応じ設定。
(参考文献) 「専門医の在り方に関する検討会 報告書」(厚生労働省)より